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アテニア、対話型AIアバターでオンライン接客 美容部員の知見をAIに学習

アテニア、対話型AIアバターでオンライン接客 美容部員の知見をAIに学習

アテニア#対話型AI#AIアバター#オンライン接客

アテニアが2026年6月30日、オンライン接客サービス「アテニア AIビューティアドバイザー」を進化させ、対話型AIアバター機能を実装すると発表した。音声でユーザーの肌悩みを聞き取り、表情やうなずき、視線といった表現を組み合わせて美容相談・商品提案を行う。化粧品業界で初めての試みだとしている。ZEALSとの共同開発。

導入の内容

今回のAIアバター機能は、テキスト入力を必要とせず、アバターが音声での対話を通じて顧客の肌悩みや希望を聞き取る仕組みだ。専用のAIアバター画面上で、表情・うなずき・視線・会話の間といった視覚的・感覚的な表現を組み合わせ、自然な対話を目指したという。

これは2026年2月10日に導入した「アテニア AIビューティアドバイザー」(音声・テキストチャットに対応した接客AIエージェント)の進化版にあたる。今後は公式アプリへの展開も予定しているという。

開発の経緯

アテニアは今回のZEALSとの取り組み以前に、別の企業と1年半近くPoC(実証実験)を続けていたが、うまくいかなかったという経緯がある。アバターの口の動きと音声が合わない、会話の内容が決まったシナリオ通りのパターンに陥ってしまうといった課題が解消できなかった。

その後、2025年5月にZEALSの音声接客AIエージェント「Omakase AI」に出会い、同年10月から議論を開始、12月に開発着手、2026年1月にはサービスとしてローンチするというスピードで進んだという。実現のポイントとなったのは、アテニアの接客マニュアルをすべてAIに学習させ、それに基づいた応答のみを行わせたことだ。マニュアルにないことは発話しないため、事実と異なる内容を答えてしまう「ハルシネーション」を防いでいるという。

アテニアとは

アテニアは1989年、神奈川県横浜市で生まれた化粧品ブランドだ。バブル期、百貨店の化粧品売り場が高価なブランド品であふれる中、「一流ブランドの品質を1/3の価格で」というコンセプトのもと、通信販売主体のブランドとして立ち上げられた。現在はスキンケア・メイクアップ用品を中心に、健康食品やアパレル商品も展開している。株式会社アテニアは、化粧品・健康食品の製造販売を手がけるファンケルグループの一員である。

ZEALSとは

ZEALS(ジールス)は2014年、東京都渋谷区で設立された。当初はロボット事業やコミュニケーションAIの開発から始まり、2016年にマーケティング特化型のチャットボットサービスを開始、その後「接客AIエージェント」を主力とする企業へと展開してきた。電通グループ、博報堂DYグループ、Salesforce Venturesなどから累計約54.2億円を調達しており、2022年には米国法人も設立している。「日本のおもてなしを宿した接客AIエージェントを世界へ」を掲げ、Web接客向けの「Omakase.ai」や生成AIを活用した「ZEALS AI Agent」などを提供している。

AIと接客体制

アテニアは、直営店舗の美容部員が長年培ってきた接客ノウハウをAIに学習させる設計を採用しており、これまでのところ人員削減についての言及はない。AIアバターの評価軸についても、短期的な売上ではなく「会話のラリー数」や「相談内容の深まり」を重要指標とする方針だという。アテニアはこの取り組みを、店舗の接客資産をオンラインでも展開する「ハイブリッド通販」の推進策と位置づけている。

まとめ

アテニアのAIアバター導入は、単なるチャットボットの高度化ではなく、店舗の美容部員が培ってきた接客ノウハウをデジタルに移す試みだ。過去に他社との協業で一度つまずいた経緯を経て、ZEALSとの再挑戦で実現した点も、この取り組みの特徴といえる。今回の評価軸が「会話の質」に置かれている点は、AIによる接客が短期的な売上追求とは異なる形で運用され得ることを示す一つの事例として、今後の展開を注視したい。

情報源:

観察日:2026-07-20|Commerce × AI Observatory