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AIの普及で高度外国人材の来日が減少 「技人国」ビザ新規入国、2025年秋から前年割れ続く

AIの普及で高度外国人材の来日が減少 「技人国」ビザ新規入国、2025年秋から前年割れ続く

出入国在留管理庁#AIと雇用#外国人材#労働市場#技人国

出入国在留管理庁のデータを日本経済新聞が分析した結果、ITエンジニアや通訳・翻訳といった専門職向けの在留資格「技術・人文知識・国際業務(技人国)」で新規入国する外国人材が、2025年9月から前年同月比で減少に転じたことがわかった。2026年に入ってからも前年を2〜4割下回る水準が続いており、傾向が長期化する可能性があるという。

増加基調から一転、減少の背景にある二つの要因

技人国は、新型コロナウイルスの影響が薄れた2022年以降、円安基調の中でも増え続けてきた在留資格で、2025年末時点の在留者数は47万人と外国人労働者全体の2割を占め、就労系の在留資格としては最多だった。この増加基調が2025年秋に反転した背景として、記事は二つの要因を挙げている。一つはAIの普及によってIT・通訳翻訳分野の求人自体が減っていること、もう一つは入管当局が審査を厳格化していることだ。

現場の声としては、大阪のIT系専門学校で留学生の就職内定が例年より大幅に遅れている状況や、外国人材向けの通訳・翻訳サービスを手掛ける企業の売り上げがピーク時の3割程度まで落ち込んでいる状況が紹介されている。同社代表は、日本語能力試験の最上位級を持つ経験豊富なエンジニアでも不採用になるケースが出てきたとして、AIの普及による需要縮小が外国人雇用のハードルを高めていると指摘している。

「偽装技人国」問題が招いた審査厳格化

審査厳格化のきっかけとなったのが、技人国の資格で許可を得ながら実態は工場や飲食店などで単純労働に従事させる、いわゆる「偽装技人国」の問題だ。2024年には愛知県で技人国の資格を持つベトナム人約200人が製造現場に派遣されていた事例が発覚している。これを受けて政府は2026年3月以降、派遣元・派遣先企業に資格外活動をしないとの誓約書提出を求めるなど運用を厳格化し、4月からは通訳やホテルフロントなど対人業務の職種で日本語能力の証明も義務付けた。外国人雇用に詳しい弁護士は、審査厳格化と企業側の採用控えが重なり、技人国での来日が今後さらに減る可能性があるとみている。

一方で、訪日客対応や海外営業を担う人材への需要は底堅いとの見方もあり、分野によって温度差があることもうかがえる。技人国の在留者はすでに国内で働く人も多く、次回の在留資格更新への不安の声や、留学生向け学校説明会の参加者減少なども伝えられている。

AIの普及がホワイトカラー職の求人そのものを減らし、外国人材の受け入れ動向にまで影響し始めているという今回の観察は、日本国内の労働市場においてAIがもたらす影響を考える上で示唆に富む。国境を越えた人材獲得競争が激しさを増す中、日本が高度人材に「選ばれる国」であり続けるかどうかは、AI時代の雇用政策のあり方とあわせて注目したいテーマだ。

情報源:

観察日:2026-09-14|Commerce × AI Observatory