
Googleが画像検索をPinterest化する ECの「発見」チャネルはどう変わるか
Google Images、25年目の全面刷新
2026年7月14日、GoogleはGoogle Images創設25周年を機に、画像検索を全面刷新すると発表した。これまで検索ワードを入力して結果を表示するだけだったGoogle Imagesが、ユーザーの興味・閲覧履歴に基づくパーソナライズされた「For You」ギャラリーを表示する継続閲覧型のプラットフォームに生まれ変わる。気に入った画像を「コレクション」として保存し、旅行インスピレーションや部屋のデザイン案などをまとめる機能も追加される。
Googleがこの刷新で目指しているのは、画像検索を「答えを探す場所」から「インスピレーションを得る場所」へと拡張することだ。ユーザーが目的なく画像を眺め、アイデアを保存し、そこから新たな検索へとつながる体験を、Google内で完結させようとしている。さらにGoogleはAI画像生成機能も同時に追加する。自社モデル「Nano Banana」を使い、Google Search内でテキストプロンプトから画像を生成できるようになる。
Pinterestとの重なり
Pinterestは2010年に創業されたビジュアル発見プラットフォームで、2026年第1四半期の月間アクティブユーザーは前年同期比11%増の6億3,100万人に達した。ユーザーは「ピン」と呼ばれる画像を保存し、テーマ別の「ボード」にまとめていく。検索ワードで答えを探すというより、目的を持たずに画像を眺めながらアイデアを蓄積していく「発見」の体験に軸足を置いている点が特徴だ。収益の柱は広告で、ピン形式の広告をクリック課金・インプレッション課金で販売する。新しい商品やブランドを積極的に探しているユーザーが多く、その購買意欲の高さが広告主にとっての魅力になってきた。
今回のGoogle Imagesの変化は、Pinterestが長年かけて築いてきたビジュアル発見プラットフォームの設計と重なる。TechCrunchはこの動きを「Pinterestのプレイブックをそのままコピーした」と表現した。
Pinterestはアプリユーザーを中心に独自のコミュニティと自前の検索機能を持つプラットフォームだ。購買意向の高いユーザー層という強みを持っており、Googleとは異なる文脈でユーザーに使われてきた。
ECブランドへの影響
今回の刷新がECブランドにとって何を意味するかは、まだ見えていない部分が多い。ただ可能性として考えられるのは、「インスピレーションを得る」という行動がGoogle Images内で完結するようになれば、そこから購買への導線が自然に生まれるかもしれないということだ。これまでPinterestが担ってきた「購買前の発見段階」領域への影響があるのか、注視する価値はある。
美容・ファッション・インテリアなどビジュアルで商品を訴求するカテゴリのブランドにとって、この変化は特に気になる点だ。L'OréalやHermèsのようなビジュアルブランディングを重視するフランスのラグジュアリーブランドや、ZOZOなど日本のファッションECにとって、Google Imagesという「発見の場」がどう機能するかは、重要な問いかけだ。
展開スケジュール
今回の展開は米国・英語版・デスクトップから数週間かけて順次始まる。日本語版への展開時期は未定だが、Googleのこうした機能は通常、数ヶ月以内に主要市場へ拡大する。
情報源:
- TechCrunch(2026年7月14日)
- eMarketer
- Pinterest Announces First Quarter 2026 Results(Pinterest, Inc. / Businesswire、2026年5月4日)
観察日:2026-07-16|Commerce × AI Observatory
