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ChatGPT広告、代理店の実測データで「効果薄い」の声 OpenAI計測値との乖離も

ChatGPT広告、代理店の実測データで「効果薄い」の声 OpenAI計測値との乖離も

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広告業界誌MediaPostは8月、ChatGPT広告キャンペーンを実際に運用した複数の代理店への取材に基づき、期待したパフォーマンスが得られていない実態を報じた。OpenAI側が示すクリック数と、Google Analyticsなど独自の計測ツールで確認できる実際のアクセス数との間に開きがあるとの指摘も上がっている。

何が報告されたか

カナダの広告代理店Choice OMGは、2026年6月8日から25日にかけての約2.5週間、415カナダドルを投じてChatGPT広告キャンペーンを実施した。インプレッション数は事前予想の約4,000件を大きく上回る約8,940件を記録したものの、クリック率は0.65%にとどまり、クリック単価は平均7.16カナダドルだった。同社Managing DirectorのPeter Jaffray氏は、検索広告と比較して通常2%程度のクリック率を見込んでいたが、実際には大幅に下回ったとした上で、「キャンペーンを運用してみると、エンゲージメントの高いチャネルというより、ディスプレイ広告に近い印象だった」と振り返っている。58件のクリックからの申し込みはゼロで、同社は6月23日にキャンペーンを一時停止した。

B2B企業向け代理店Cleverlyでは、さらに踏み込んだ問題が指摘されている。OpenAI側が管理画面上で報告したクリック数は57件だったのに対し、Google Analyticsで確認できたセッション数は20件に満たなかったという。同社CEOのNicholas Verity氏は「プラットフォーム自身が示す数値が実態と一致しないのであれば、計測そのものが信頼できないか、同一ユーザーのクリックを重複計上しているかのどちらかだ。この状態でさらに予算を積み増す判断はできない」と述べている。こちらもクリックはあってもコンバージョンはゼロだったとしている。

背景:拡大するChatGPT広告と計測をめぐる課題

OpenAIはChatGPT広告を2026年2月9日に米国で試験導入し、3月にカナダ・オーストラリア・ニュージーランドでの展開を表明、8月には英国・メキシコ・ブラジル・日本・韓国での展開が実現したとしている。広告が表示されるのは無料プランとGoプランの利用者に限られ、Pro・Business・Enterprise・Education各プランには表示されない仕組みだ。

数値の乖離が生じる背景には、ChatGPT広告の計測の仕組み自体もある。OpenAIは従来型のUTMパラメータではなく、広告主が自社サイトに設置する独自の計測タグ「OAIQ Pixel」を用いる方式を採っている。広告がクリックされるとURLに識別子が自動付与され、Pixelがこれを検知して広告主のドメイン上にファーストパーティCookieとして保存し、後続のコンバージョンと結び付ける仕組みだ。加えて、クリックを伴わずに広告を目にしただけの「ビュースルーコンバージョン」も独自に集計しており、これはGoogle Analyticsのような広告主側の計測ツールには表れない指標だ。クリックをどの期間まで成果に結び付けるかという帰属期間もOpenAI側で個別に設定される仕組みになっており、Google Analyticsなど広告主側の計測ツールとは異なる基準で「クリック」や「コンバージョン」が数えられていること自体が、両者の数値が一致しにくい一因とみられる。

同様の計測不一致を訴える声は、ほかの代理店からも複数上がっている。クリック数がGoogle Analyticsの数値と一貫して食い違う、あるいはクリックそのものは発生してもGoogle Analytics側には該当するアクセスの記録が残らない、といった報告が相次いでいるという。一方でOpenAIは同時期、クリック課金を維持しながら選択したコンバージョンイベントに配信を最適化する新機能「oCPC」を試験提供しており、効果測定の精度向上に取り組んでいる段階にあることもうかがえる。

新しい広告プラットフォームが立ち上がる際には、計測基盤が広告在庫の拡大に追いついていないという成長痛はしばしば見られる。ただし今回のケースでは、複数の代理店が独立して同じような数値の乖離とコンバージョンの伸び悩みを報告しており、ChatGPT広告への出稿を検討する事業者にとっては、予算を本格的に拡大する前に自社側でも計測手段を確保し、慎重に効果を見極める姿勢が求められそうだ。

情報源:

観察日:2026-08-29|Commerce × AI Observatory